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D1GPシリーズ 第7戦

D1GPシリーズ 第7戦 トーナメント表

ROUND7 IN FUJI

D1グランプリもいよいよ終盤、国内最終戦となる第7戦は富士スピードウェイ。
300Rからヘアピン、100Rまでを逆走する高速バトルは5月に行われた第3戦と同じ。曇り空ながらドライコンディションで迎えた土曜日、82台が予選を戦った。

COURSE POINT - ポイント

進入速度180km/hを超える高速レイアウト。豪雨に見舞われた第3戦ではテクニックバトルとなった富士スピードウェイも、今回はベタ踏みの戦いを楽しめそうだ。
このコースは300Rからヘアピン進入までのライン取りがポイント。

THE DRIVER - 注目選手

第5戦、エビスからニューマシン(JZX100)を投入した高橋邦明選手。
マシンとのコミュニケーションにアタリが出てきたようで、練習走行から気持ちのいいキビキビとした走り。国内最終戦、攻めの空気がミナギル感じで大いに期待できる。

予選経過

手塚選手、1本目から安定感抜群。振り返しからイン・アウト一杯のライン取りで豪快な走りを披露。2本目も不安要素なし。100点満点には届かないものの予選通過は既に確実。3本目には進入速度183km/hで盤石。

時田選手、角度、速度とも申し分のない走りで好調子。ヘアピン出口のインクリップにわずかな隙間を残すが、それも誤差の範囲。

小師選手、角度、ラインともやや小振りな1本目。ドライの富士には辛いと言わざるを得ないAE86をそれでも一杯に振り回し、3本目には予選通過ラインに載せてきた。

結果から先に言うと、予選通過20台中17台がAグループ。もはやシードとの差が解らないほどのポテンシャルを持つ選手たちで構成されるAグループに、Bグループ以降の選手たちがどう立ち向かうか。ますます狭くなる予選通過の壁。
この聳え立つ壁を叩き壊した一人、高橋選手。
今シーズンは僅差の予選敗退を繰り返し、唇を噛む戦いを続けてきた高橋選手が、今日は一段と攻撃的な走りを魅せてくれた。
1本目、アクセルを踏み抜かんばかりの勢いでヘアピンに突入、
重たいセダンを揺さぶりながら豪快なアピール。
2本目では182km/hをマーク。

最終の出口でモドリが出てしまったが「乱暴」ともいえる走りで印象度満点。
予選通過ボーダーで臨んだ3本目、186km/hの超高速から見事なラインを完成、Aグループに割り込む鮮やかな1本を決めてくれた。


激戦の末、グッドイヤーからは4選手が1回戦進出を果たした。

1回戦 単走

明けて日曜日、曇天は昨日同様、下り坂の模様。

そんなことはお構いなしの手塚選手、1本目から絶好調。181km/hの振り返しからこの広い富士スピードウェイのコースを目一杯使ったライン取りで審査員絶賛の100点満点。
2本目も、まるでリプレイ映像を見るような走りで100点満点。完全に心得た感。満点3連チャンかと思えた3本目、ヘアピン出口のインクリップをわずかに外したものの、余裕の3位通過を果たした。

時田選手、クリッピングポイントが取れず予選の走りに届かない。

小師選手、1本目で100点満点獲得。予選を上回る161km/hを絞り出し、ベスト16進出決定。

昨日の予選から高テンション継続中の高橋選手、1本目から戦闘モードで猛進。勢い余って審査員前でコースアウト。
砂煙を巻き上げながらも自信に満ちた走りを魅せてくれた。続く2本目、明らかに「カッコイイ」姿勢で観客の視界に飛び込んできたJZX100、審査委員長の「100て~ん!」が会場に響く。直後、最終コーナーの副審から赤旗。
わずかに、わずかにアウトクリップを残してしまった。それでも99.9点、果たしてベスト16進出は...。

終わってみれば史上最多、1回戦30台中12台が100点満点という信じられない戦い。99.9点を持ってしてもベスト16に残ることを許されなかった高橋選手、18位に沈んだ。

追走トーナメント

2006年の追走レギュラー、小師選手と手塚選手。

1回戦9位通過の小師選手が対峙するのはPS13シルビアを駆る強豪、黒井敦史選手。小師選手のAE86トレノ比300ps以上、86が2台分以上というパワー差、しかしパワーだけで語れないのがD1グランプリの醍醐味。
後追いスタートの1本目、ここはさすがに追いつけず、それでもキッチリと自分の走りを貫き最小得点差の6:4。2本目、後ろから捲し立てる黒井選手を尻目に冷静な走りの小師選手。
ヘアピンへのアプローチで抜きにかかる黒井選手は小師選手の見事なライン取りに行き場を失い姿勢を崩す。最後まで落ち着き払った小師選手の逆転勝利でベスト8進出。

ベスト8、次なる相手はS15シルビアの川畑直人選手。
後追いスタートの小師選手は先行の川畑選手を等間隔でトレース。ヘアピン出口ではその間隔を詰め、追い込みを仕掛けたのだがマシンが流れコースアウト、手痛いミス。
2本目、アドバンテージを得た川畑選手には無難に走られ、ここで幕引きとなった。

手塚選手のベスト16、対戦相手は野村謙選手、BNR32vsER34のスカイライン対決。

1本目は手塚選手先行。スタート直後から貼り付いた野村選手はノーズを食い込ませんと併走、3:7に近い4:6で野村選手にアドバンテージ。

続く2本目、今度は手塚選手が猛追、振り返しも先行の野村選手にビタッと合わせ、拍手喝采でサドンデス突入。
再戦1本目、完全保存版とも言える両者の美走、プロ中のプロにしかできないであろうパフォーマンス、勝敗を無視したくなるほどの戦いで観衆の腰を浮かせた。 当然の5:5。
2本目、後追いから好機を窺う手塚選手はヘアピン進入で野村選手のインを突き、そのままサイドバイサイドで圧勝、ベスト8進出。

ベスト8を戦うのはS15シルビア、風間靖幸選手。
1本目、両者譲らずの互角。今日の手塚選手、キレた走りが痛快。2本目、300Rの振り返しからタイミングを合わせた手塚選手は、風間選手のテールを完全に捕らえ、ヘアピンでは完全にインに食い込む。終始ペースを支配して完勝、ベスト4進出。

手塚選手のトーナメントブロック、ランキング1位の野村選手、ランキング3位の風間選手、そして次なる相手、ランキング2位の熊久保選手(いずれも第6戦結果時点)と、今シーズンの優勝経験者が名を連ねる。当然手強い。
更に、遂に、雨。霧雨が徐々に路面を濡らし、このころからワイパーを必要とするまでになった。ウォームアップランの時点で既に路面はツルツル、両者慌ただしく足回りのセッティングを補正。

1本目、それでもテンションの高い手塚選手はスピン寸前の角度を保ちながら快走。後追いの熊久保選手は堪えきれずスピン、10:0。2本目も挙動を押さえきれない熊久保選手を撃破。手塚選手、強豪共を蹴散らし決勝進出。

追走トーナメント決勝

とうとうファイナリストの座へと勝ち上がった手塚選手、最後の相手はベスト8で小師選手と戦った川畑選手。
日没を迎え、完全ウェットと化した路面をヘッドライトが青く照らす中、決勝戦の火蓋は切って落とされた。

後追いスタートの1本目、流れるマシンを抑えきれず辿々しい走りに喘ぐ手塚選手。
同様、思うようにトラクションが懸からないマシンをそれでも前に押し出す川畑選手。
少しずつその間隔が開き、アドバンテージ川畑選手。
2本目、両者譲らずヘアピンまで。そしてその出口、川畑選手が手塚選手のインをこじ開け並びかける。
立ち上がりでは2台が接触、そのままゴール。

一歩及ばず無念の準優勝に終わった手塚選手。
表彰式では笑顔も見せてくれたが、頭の中は次戦への闘志に張り裂けんばかり。

REPORT: Noboru Hirano
PHOTO: Kenji Ichi